一般社団法人JELF(日本環境法律家連盟)は、2021年6月28日、辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク、美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会、国際環境NGO FoE Japanの3団体が呼びかけておられる共同声明「蝶類研究者・宮城秋乃さんへの沖縄県警の不当捜査に抗議する~やんばるの森の保護活動を威圧するのか」に、団体賛同しました。
この共同声明に関するリンクはこちらからご確認ください。→ https://www.foejapan.org/aid/takae/210621.html
JELFも賛同した共同声明は以下のとおりです。
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~やんばるの森の保護活動を威圧するのか
美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会
国際環境団体FoE Japan
6月4日に沖縄県警は、東村在住の蝶類研究者・宮城秋乃さん宅を捜索し、パソコン、カメラ、携帯電話、作業着などの押収、書籍類のチェック、写真撮影を行ったと伝えられています。容疑は、米国海兵隊北部訓練場ゲート前のイエローライン内に、同訓練場返還地部分で発見された少量の米軍廃棄物を置いたことが、威力業務妨害、廃棄物処理法違反、また、同訓練場に入ろうとする2台の米軍車両の進行を止めたことが道交法違反に当たるとのことで、家宅捜索後に何回も取り調べが行われています。これは、宮城さんに対する不当な捜査・威圧であり、私たちは、沖縄県警に強く抗議し、捜査の中止と押収物の返却、謝罪を求めます。
宮城さんは、世界自然遺産候補地に含まれる北部訓練場返還地で昆虫調査を行いながら、一方で数多くの米軍廃棄物(銃弾空包、手榴弾、照明弾、ドラム缶、空き缶、空き瓶、コバルト60を含む金属部品、野戦食パッケージなどの古い残骸から比較的新しいものまで、海兵隊が訓練で使用し廃棄・放置したもの)を発見して、そのうち未使用と不発の弾薬については警察に通報し、日本政府に除去して森林の環境浄化を図るように訴えてきました。
しかし、政府は訓練場の部分返還後に形式的な環境調査と一部の支障除去を行っただけで、米軍廃棄物は未だ大量に放置され、自然遺産候補地のやんばるの森には汚染されたままの地域があります。政府・警察は何も対策をとらないどころか、逆に、この問題を告発してきた宮城さんに対して、威力業務妨害等の容疑で家宅捜索・取り調べという威圧におよんだのです。これは告発者に対する弾圧で、まったく不当な行為です。
廃棄物の除去は、廃棄者・汚染者の負担が原則です。国際的な環境運動では、不法な廃棄物投棄を告発するために、責任ある機関の前に廃棄物を並べ抗議する行動は、意思表示・表現の自由として認められています。民主主義の国として当然です。これを認めず、逆に弾圧するのは専制国家に他なりません。
私たち自然保護団体は、やんばるの森の生物調査や保護活動を熱心に行っている宮城秋乃さんに敬意を表し応援しています。そのため、今回の家宅捜索・取り調べに大きな衝撃を受けるとともに、強い憤りを感じています。私たちは、沖縄県警による宮城秋乃さんへの不当な捜査および威圧に強く抗議します。また、捜査の中止と押収物の返却、謝罪を求めます。
連絡先:辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク henokotakaengo@gmail.com
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