2011年度 活動方針 @大阪総会

 

総会報告

5月14日時点の正会員数 548人
  総会成立に関する定足数は183人、出席13名、委任状提出352名により、総会は成立し、以下の議案書が承認された。

人事について
  新代表:籠橋隆明(愛知県弁護士会)
  新事務局長:樽井直樹(愛知県弁護士会)
  新事務局次長:小島智史(愛知県弁護士会)、木村夏美(三重弁護士会)、

           室谷悠子(大阪弁護士会)、島昭宏(東京弁護士会)

 

2010年度 活動報告

3/3    JUCON(Japan-US Citizens' for OkinawaNetwork)結成(別紙)
3/21   法科大学院生対象・環境法の学習会@東京、大阪
5/15-16 山口県・上関原発予定地、祝島視察& JELF総会
7/3    法科大学院対象・環境法の学習会@東京、大阪
8/19   ヒートポンプ問題連絡会、結成
9/4    法科大学院対象・環境サマーセミナー(日弁連)
       →交流会開催(公害弁連、ゴミ弁連と3団体協賛)
10/10   新64期司法試験合格祝賀記念勉強会 全国3都市同時開催
        東京、講師:日置弁『鞆の浦景観訴訟と全国の景観訴訟』
        名古屋、講師:藤川弁『平針・トトロの森事件』
        大阪、講師:遠地弁『アスベスト国賠訴訟ほか』
11/29-12/7 サンフランシスコ環境NGO視察
12/23   JELFLS生向け答練習会


 

2011年度、活動方針

1. わが国の環境問題を取り巻く情勢と課題


1) 3.11震災の位置づけ

   3.11震災及び第一原発事故は社会の情勢を大きく変化させた。社会の変化に対し、「持続社会」をキーワードにした明確なビジョンと運動の展開が求められている。


2) 3.11以前

   2010年8月民主党政権が誕生した直後、公共工事、普天間基地問題、地球温暖化問題、市民の政治参加などマニュフェストの実現への期待が高まっていたもの、民主党政権は急速に失速し、基本的には自民党政権下での政治を踏襲する方向で修正した。民主党の政策は昏迷し、当然のことながら、国民の支持も急速に失った。
   こうした、昏迷を深める政権下で、JELF、個々の環境法律家の役割は、正義に基づいた明確な指針を政府や国民に示すことにあった。その中で、「よみがえれ!有明訴訟」は非常に重要な意味を持つ。2008年6月27日、佐賀地方裁判所において「判決確定後3年までに潮受堤防の排水門を開放し、以後5年間にわたって水門の開放を継続せよ」との、画期的な判決が言い渡され、2012年12月6日、福岡高裁で控訴は棄却され、12月15日には菅直人首相は上告断念を表明し、判決は確定した。有明訴訟の判決が政権交代時に期待された公共事業の抑制、環境保全政策を呼び戻したと言える。八ツ場ダム訴訟など各地で展開される無駄な公共工事を止める訴訟は昏迷する政府、国民に対して明確な指針示すものとして重要な意味を持つ。環境法律家は持続社会を目標に様々な訴訟、運動を展開してきた。


3) 3.11以降
   2011年3月11日、東日本大震災及び福島第一原発事故は未曾有負の被害を我が国にもたらした。
   自然の脅威を目の当たりにして、人と自然の関係、人の社会のあり方そのものを見直そうという動きが現れている。人は自然に対して謙虚であるべきであるし、自然とコントロールしようという災害防止策そのものの考え方も変える動きが見られる。コミュニティのあり方も見直されようとしている。
   福島第一原発事故は原子力エネルギーが人類の制御能力を超えたものであることを見せつけた。「抽象的」とされた「想定外」の事故が、現実化するに至って、予想されたこととは言え、事態の深刻さに大きなショックを受けた。今回の「フクシマ」を教訓に日本のエネルギー政策を根本的に見直し、個人、コミュニティが重視された低エネルギー社会に向けた動きが出始めている。新しい社会への動きは、これまでの「想定外」としてきた日本のエネルギー政策を見直す動きに直結することになろう。社会全体が低エネルギー、低炭素社会を目指そうとしている。


4) 我々は何をするべきか。
   3.11以前は昏迷する政権に対して、環境法律家として明確な指針を示すことが課題であった。3.11以降は新しい社会を作ろうとしている日本に対して、環境法律家として明確な指針を示すことが課題となっている。その中核となる考えは個人の尊厳と持続社会である。環境法律家は公害問題、廃棄物問題、化学物質問題、都市問題、自然環境問題、原子力問題に取り組んできた。いずれも個人の尊厳、持続社会の実現を目標とした運動である。持続社会ではコミュニティが尊重され、個人が人や自然と豊かな関係を形成しつつ、自己実現が図られる。社会は小さな単位で自律し、持続する。持続社会では生物の多様性が保全される。持続社会では資源が循環し、廃棄物は最小限に抑えられる。景観は人間という生物のスケールにあったものが尊重され、生活は伝統的文化との調和が図られる。都市にも持続性が求められる。都市にも生物の多様性が保全され、コミュニティが求められ、コミュニティに奉仕するために公共交通機関が整備され、モータリゼーションが抑制される。無駄な消費が抑制され、エネルギーの可能な限りコミュニティでまかなわれる。持続社会では自然のコントロールには限界があると考え、災害と共存しようと考える。環境情報に関する全ての情報は開示され、人々の自己決定権、政策決定過程への参加権は司法的に担保される。持続社会は災害のリスクも分散させる機能を持つであろう。環境法律家は3.11以降の社会像として、環境保護が目指す社会像、すなわち持続社会のあり方を提案しなければならないし、そのことが求められている。JELFの役割は大きい。

 

2. 原子力問題

   福島第一原発事故は極めて深刻な被害をもたらし、地域社会の持続性に壊滅的な打撃を与えようとしている。福島第一原発事故は原子力エネルギーのかかえるリスクが人の制御を超えるものであることを改めて示した。
   核エネルギーは原子爆弾として応用され、広島、長崎に原子爆弾が投下された。我が国は被爆国として原子力エネルギーの持つ危険性ついてどこの国よりも正確に知り、エネルギー政策に反映させなければならない立場にある。それが、今日もなお続く原爆被害者及び未来世代に対する責務である。原子力エネルギーの危険が人の制御を超えたものであることを正確に理解し、原子力エネルギーに頼らない社会を作り上げることは被爆国に住む我々の責務である。
   しかしながら、政府はこうした問題に正面から向かい合うことなく国策として推進してきた。政府にとって、原子力問題は経済産業問題としてとらえられ、極めて高いリスクを孕む環境問題としてはとらえられてこなかった。環境基本法は原子力問題を環境問題から除外し、原子力基本法に委ねている(法13条)。原子力基本法は産業政策として原発推進政策を行うことを宣言している。
   政府の政策は常に推進であり、その前提として絶対に安全であるというコンセプトを作り上げざるえなかった。これは明らかに誤った議論であり、そのような非科学的で誤った考えが、今回の「フクシマ」を招いたと言える。今回の福島第一原発事故については原子力エネルギー政策は根本的に改められ、環境に有害な影響を与える環境問題としてとらえることが必要であり、最終的には現存する原発は段階的に廃止されるべきである。
   今期JELFは次のことをめざして活動する。
  @ 原子力開発と持続社会形成とは矛盾するものであることを明らかにする。
  A 原子力問題を人の環境に大きな危険をもたらす環境問題としてとらえ、環境問題に相応しい取り扱い、すなわち正確な情報開示と、原発の廃止を求めていく。
  B 各地の原発訴訟を支援していく。

  
3. 地球温暖化問題

1) 地球温暖化をめぐる情勢
   IPCCの第4次報告によって地球温暖化は明確となり、産業革命以前の大気状態に比して上昇温度を2度以内に収めることが国際的な目標となっている。気候変動枠組条約は地球温暖化に対し、「共通だが差異ある責任」を明示して先進国には相応に大きな責任があるとした。京都議定書では先進国間に明確な数値目標が示され、わが国は2012年までに90年比6%削減という国際的な責任を法的に負担した。
   京都議定書以降、EUを中心に排出ガス削減に向けた努力が行われ前進をみたものの、我が国では電力、鉄鋼を中心にした経済界が京都議定書に対して激しく抵抗し、京都議定書上の義務の履行は不可能となっている。政権が交代して鳩山は2020年までに90年比25%削減することを国際的に約束したものの、その後の民主党政権の動向は後退の一途をたどり、現在では京都議定書からの離脱すら議論されている状況である。


2) 温暖化対策をめぐる運動の状況

WWF、グリンピースなどわが国でもなじみのある環境保護団体は気候変動問題を世界の最も重要な課題として位置づけて活動している。今日、国連や国際条約に基づく諸機関、国際的な環境問題からローカルな環境保護団体まで地球温暖化問題はきわめて大きくとりあげられている。
また、温暖化問題を巡っては、先進国と途上国、さらにはBRICsのような発展めざましい国との対立が激しさを増している。これらは温暖化ガス対策が必要であるという認識の深まりの反映と言える。国際的潮流で注目すべきは「気候的正義(climate justice)」という考えが強く打ち出されている点である。これは、大気のCO2吸収能力あるいは平衡な大気の状態を公共的利益と見て、その利益の平等な享受を求める考えである。途上国は「大気」を浪費を違法行為としてとらえ、もしくは途上国枠を浪費したことに対する「負債」ととらえ、その賠償を先進国に求めている。
国内においても気候ネットワークを中心に展開しているものの、ポスト京都議定書が決まらない状況及び、民主党政権のこの問題に対する反動化とも言える様変わりの中にあって後退を余儀なくされている。特に、3.11の福島原発事故以降、気候変動問題は後景に退けられていると言える。


3) 気候変動問題についての当面する課題とJELFの役割
気候変動問題は原因者のいない自然現象ではない。産業優先政策の結果、CO2が大量に排出され、気候変動が生じつつあることを考えれば、産業界の責任は大きい。
気候ネットワークの調査によると、わが国では鉄鋼や電力など大口排出者上位44社で総排出量の50%となっている。これらの企業の責任は大きい。にもかかわらず経団連は経済活動が環境問題に優先するとして、その対策を怠っている。その構図は公害の構図そのものであり、過去日本の環境問題の歴史が直面してきた問題と同じである。
JELFは排出企業の法的責任を明確にし、わが国に直接排出量を基準にした排出量の総量規制ならびに排出枠取引制度の導入を図るよう政府や社会に働きかけていく。
JELFでは既に地球温暖化問題プロジェクトチームを結成し、9月始めには電力会社9社及び電源開発機構のCO2排出を抑制するために公害調停を申請する予定である。

 

4. 地球温暖化問題と原子力問題
   地球温暖化問題の深刻化に伴い、国及び電力各社は発電時にCO2を排出しないエコなエネルギーとして原子力発電所の増設を推進してきた。しかしながら、3.11以降、原発の途方もないリスクが具体的に明らかになり、原発政策は大きな転換期を迎えている。原発問題のクローズアップとともに、全国民において当面するエネルギー問題を解決するために気候変動問題は後回しの課題として扱われる可能性が出ている。
   既に述べたように、原子力問題は環境問題の一つであり、放射能汚染の危険は回避されなければならない課題である。一方で、CO2の排出もきわめて深刻で差し迫ったか課題であり、抑制させべき問題である。およそ環境問題は常に複合的に存在し、選択的な関係であることはあり得ない。持続社会を実現するためには全ての問題が解決に向かわなければならない。
   人為的なリスクがある以上、回避しなければならないというのが環境問題であり、それ以上の意味はない。持続社会の実現を目指す以上、CO2にしろ、原子力にしろ、人類にとって重大なリスクを回避するという枠内でエネルギー政策がとらえられるべきことは当たり前であり、環境問題というのはそういう問題である。原子力のリスクとCO2のリスクに転嫁することは許されないし、できるものでもない。
   JELFは、原子力、CO2双方を抑制するべく活動を展開する。

 

5. 日米地位協定など


1) 情勢と課題

   「世界一危険な基地」である沖縄普天間基地の返還は、1996年にSACO合意によって約束されたにもかかわらず、未だ実現されていない。
   民主党政権は迷走のあげくに、前総会直後の2010年5月28日に日米共同声明を発表し、普天間基地返還を代替施設提供を条件とし、その代替施設は沖縄県名護市辺野古沿岸部とすることを確認した。そして、民主党政権は、2011年4月29日には辺野古沿岸部の代替施設となる新基地について、自民党政権時に方針とされていたV字型滑走路2本とすることを確認し、日米安全保障協議委員会へ提案することとしている。
かかる事態は、爆音をまき散らし人権侵害を続けている普天間基地を辺野古地区へ移転させることで、人権侵害状態を移転させるだけであり、なんら問題の解決にはなっていない。しかも、辺野古沿岸部には沖縄ジュゴンをはじめ、豊かな生態系が存在し、新たに重大な自然環境破壊を大規模に引き起こすことになる。そもそも、鳩山前首相が「抑止力」は方便であったと告白したことからも明らかなように、普天間基地もしくは辺野古沿岸部新基地における米軍駐留には全く必然性が存しない。そのような普天間基地は即時閉鎖・撤去すると共に、辺野古沿岸部にも国内のどこにも「代替施設」となる新基地を建設させないことが重要である。
そのような目標達成の方策の一つとして、連盟は、日米安保条約・日米地位協定に実効性のある環境条項を盛り込み、環境面における対等な日米関係を実現することで普天間基地における人権侵害状態を解消し、辺野古沿岸部への新基地建設を阻止していく。


2) 2010年度活動総括

  @ 2010年度活動方針
   ・対等な日米関係の実現に向けて、安保条約及び日米地位協定を改定すべきか、どのような形で環境条項を設定すべきか、その法的プロセスはどのようにあるべきか等について、自由法曹団、基地弁連、空港弁連とも協力しながら研究活動を行い、早期の段階で一定の結論を持つ。
   ・安保条約及び日米地位協定に環境条項を設けるなどの改定案を具体化し、積極的に国会に提案する。
  A 2010年度活動実績
ア 自由法曹団、全国の爆音訴訟弁護団連絡会である空港弁連などと協力し、日米地位協定における環境条項の可能性の研究や各国地位協定の調査研究などを行った。
イ 普天間爆音訴訟団・弁護団と連携し、普天間基地における被害の大きさを広くアピールする運動に参加した。
ウ アメリカ国内でのワシントンポストへの意見広告を行ったグループであるJUCOネットなどと連携し、アメリカ国内での運動の可能性を協議した。


3) 2011年活動方針
  @ 対等な日米関係実現のために、日米安保条約・日米地位協定をどのように改訂すべきかなどについては、引き続き研究活動を行っていく。
  A 出発点である現在の普天間基地周辺の被害、辺野古沿岸部で予想される環境破壊などについて、広く国内外にアピールする運動に参与し、上記の対等な日米関係実現、環境条項の設定などに役立てていく。
  B 辺野古基地断念に追い込むためにあらゆる引き続き沖縄ジュゴン訴訟に取り組む。

 

6. 生物の多様性


   生物の多様性は持続社会にとって不可欠な要素であるが,最近の200年あまりで、おびただしい数の野生種の絶滅が進行した。1975年以降の種の絶滅速度は年間4万種との推定もある。
   島国でありかつ森林面積の国土の約7割を占めるわが国は、先進国の中では群を抜いて生物多様性に恵まれ、かつ、それらが絶滅の危機に瀕している。2005年2月には、コンサベーション・インターナショナルが、日本列島全域を生物多様性ホットスポットに特定しており、日本は、いわば世界的にも生物多様性重要地域である。
   我が国の生物の多様性減少の大きな要因として、公共工事による自然破壊があげられる。開発行政に対する民主的統制の欠如が早急に是正されなければならない。泡瀬干潟訴訟、よみがえれ有明訴訟によって公共工事の民主的統制が生物多様性保全に不可欠な関係にあることが明らかにされたと言える。生物多様性を保全、回復するために次の政策を実現するために活動する。
  @ 各地で展開されている公共工事に関する訴訟を引き続き支援する。とりわけ、行政訴訟における原告適格・処分性の拡大、裁量統制に関する判例の前進を勝ちとる。
  A 近時、頻発する開発推進側のいやがらせ訴訟に対する、反対運動を展開する。
  B 生物多様性国家同戦略を担保する法的統制、生物多様性保護政策に対する市民参加のシステム、環境アセスの実効性の確保をめざして政策提起を行う。

 

7. 法曹養成の課題


1) はじめに

   2006年に新司法試験が始まり,その選択科目として環境法が採用されてから今年で6年が経った。その間,毎年環境法を専門的に学ぶ法科大学院生,さらに環境法を選択科目として選んで新司法試験に合格した弁護士が着実に増えつつある。しかし,一方で,環境法が新しい分野であるために,法科大学院によっては教師や学習教材,授業数が不足し,学習支援体制が不十分であるという問題がある等,法科大学院間で大きな格差が生じている。このため,法科大学院によっては,学習支援体制の不足や勉強方法に関する情報の不足から,環境法自体には興味がありながら孤立を恐れて選択科目にはあえて選ばない学生が出てしまうケースが実際に生じている。このような状況もあって,8つある司法試験選択科目の中で,環境法の選択者及びそのうちの合格者数は下から2,3番目の位置にあり続けており,司法試験受験者全体の割合から考えれば,環境法を学ぶ学生の数は伸び悩んでいる状況にある。このため,どの法科大学院にも行き渡る形での環境法の教育・学習支援体制の整備と充実が課題となっている。
   そこで,JELFでは,環境法に興味をもつ学生が,専門的に環境法を学び,また試験に合格した後も引き続き環境法の問題に専門的に取り組めるようにするための支援を行ってきている。特に最近の取り組みとしては,2008年度より論点表作成会議を発足して,学習支援のための論点表作成の取り組み等を行ったり,2010年度からは環境法の勉強会を行ったり,日弁連と共催でサマースクールを開催したりしている。またさらに今年度からは,より広く環境に興味のある人の受け皿となるための活動を検討している。


2) 2010年度の活動総括
  @ 2010年度活動目標
    2010年度は,これまでの論点表作成作業にとどまらず,環境法勉強会を行い,司法試験の受験の間近な法科大学院卒業生からまだ入学したばかりでこれから環境法を勉強する法科大学院生まで,幅広く環境法の学習支援を行うことを目標とした。
  A 2010年度活動実績
    2010年度の活動では,修習生と,昨年までに論点表の作成作業に検討してもらっていた新司法試験を受験した弁護士らが参加して,環境法の学習支援を行いつつ,JELFや論点表を知ってもらって広く環境法に興味のある人の輪を広げるために,環境法勉強会を開催した。場所は東京と大阪で,3月21日と7月3日にそれぞれ2回ずつ行った。勉強会では毎回20〜40人余りの人が集まり,非常に活気のあるものとなった。
    また,勉強会に参加した修習生達が,7月集会で沖縄命の森やんばる訴訟の報告をするために沖縄へ行って,環境事件の現場で起きている問題を実体験した。
    そしてさらに,11月末には,修習生の人達と弁護士2人,そして三石さんとで,アメリカの環境NGOの活動を知るために,1週間余りにわたってサンフランシスコ視察へ行った。そこで,アメリカの環境NGOがどんなことをしているか,どうやって活動を維持しているのか等を学ぶことができ,今後のJELF若手の取り組みを考える上で非常に参考になった。


3) 2011年活動方針
  @ 2011年度は,2010年度に実施した環境法勉強会の結果を踏まえ,改めて環境法の勉強会を実施する予定である。
    既に第1回を大阪で3月6日に開催し,33名の人が参加している。東京でも,3月13日に開催の予定であったが,震災の影響により中止となった。ただ,事前の申し込み人数は50名を超え,非常に多くの人が参加する予定だった。このように昨年を上回ったのは,昨年度の勉強会やサマースクールの開催等によって,環境法を積極的に勉強しようという意欲を持つ人が増えていること,また昨年の勉強会の実施結果を踏まえて広報活動を十分行う等の準備のノウハウも確立できたことが要因と考えられる。
  A 今年度は,サンフランシスコ視察で学んだ成果も踏まえ,論点表作成ということにとどまらず,広く環境問題や環境事件に興味のある人の受け皿となることを目指して,環境法の勉強支援や,それ以外にも多くの環境に興味のある人が参加できるようなイベントを開催する等して,活動の場を広げていくことを検討している。

8. 財政
1) 予算、決算の状況

別紙の通り。
  
2) 決算・予算の問題点
  @ 決算については、
   ・繰越金の大幅な減少
   ・大阪事務所向けに仮払いがあること
  A 大阪事務所の取り扱い
   ・本部に余力がないため大阪の予算が削られている。
   ・JELF全体の予算が限られているため、大阪事務所については原則特別会計を作り今期100万円を目標にカンパを呼びかけていく。来年度については2000円から3000円の会費の増額を行う。


 


最終更新日 : 2015 819