地球温暖化は現在も進行しています。その被害は、単に気温が上昇するだけではありません。世界全体で異常気象が頻発し、海水面が上昇し、(世界全体で見れば)食糧生産が減少し、生態系が乱され、熱帯病汚染地域が拡大し…、と枚挙に暇がありません。
このような地球温暖化による被害は誰の責任なのでしょうか。温暖化の原因となる温室効果ガスの中でも最も大きな影響を与えているのはCO2ですが、CO2は化石燃料(石油・石炭等)の燃焼により発生します。現代文明は主に化石燃料をエネルギー源として使用することにより成り立っており、これまで大量の化石燃料に依存することにより発展してきた先進国が地球温暖化の責任の大半を負うべきことは明らかです。ただ、途上国にも全く責任が無いわけではなく、先進国・途上国ともに今後は化石燃料から脱却した文明を構築することが強く求められます。
2016年11月にはパリ協定が発効し、産業革命前からの世界平均気温の上昇を2℃ないし1.5℃以下に抑えるべく、世界は舵を切りました。原則として世界のすべての国がそれぞれの温室効果ガス削減目標の達成に向けて努力するとともに、全世界の取り組みを2℃(1.5℃)目標に合せて今後強化していくことになります。そして、今世紀後半にはCO2排出を実質ゼロに抑えることが求められています。しかし日本では、温暖化対策が十分に行われているとは言い難く、世界の潮流から乗り遅れつつあります。
JELFではこれまで、地球温暖化が「公害」であり適切な「公害」対策をとることを国に認めさせるべく、国(公害等調整委員会)に対して訴訟を提起しましたが、裁判所は、温暖化が「公害」だとは認めませんでした(対照的に、アメリカの連邦最高裁判所ではCO2が汚染物質であることを認めています)。JELFは今後も、日本が十分な温暖化対策を行うよう、様々な活動を行っていきます。