環境に関する法分野は未だ新しい法分野であるために、一度法律が作られても、例えば環境影響評価法(環境アセスメント)では、事業実施段階よりも前の段階での環境影響評価が定められていなかったことなど、環境問題に十分に対処できない内容になっていることも多くあります。また、低周波音被害の問題のように、既存の法律では対応できない新しい環境問題が出てきたりすることも多くあります。そして、これらの問題に対応するために、法律の制定や改正が他の法分野と比べても頻繁に行われています。
JELF所属の弁護士は、自らが取り組む事件を通じて得た知見や、あるいは海外の行政機関、法律事務所、NGOを視察するなどして海外の法制度やその運用を学んで得た知見などに基づいて、環境に関する法制度の制定や改正に向けた提言を積極的に行っています。最近では、例えば環境に関する①情報へのアクセス、②意思決定への参画、③司法アクセス(裁判を受ける権利)を、NGOを含めた全ての市民に保障することを目的として、各締約国が市民に対して保障しなければならない最低限の国際的基準を定める条約であるオーフス条約について、日本国が批准することを求める活動などが行われています。
また、JELF自体の活動としても、シンポジウムを開催したり海外視察を行ったりするなど、法制度の制定や改正に関わる知見を高めるための活動を行っています。また、環境に関する法制度の制定、改正、あるいは運用に関する意見を述べたり、他団体の意見書へ賛同したりする活動も行っています。