JELFは、昨年(2017年)11月、アジアのノーベル賞とも言われるマグサイサイ賞受賞者のトニー・オポーザ弁護士をフィリピンから招聘し、オポーザ先生がフィリピン最高裁で勝ち取られた「未来世代の権利訴訟」について、基調講演をして頂きました。
オポーザ先生はその講演の中で、セブ島北部に位置するバンタヤン島でご自身が運営されているSEA CAMPについてもご紹介されました。バンタヤン島は、2013年フィリピン中部を襲ったハリケーン・ヨランダによって大きな被害を受けました。このSEA CAMP(Sea and Earth Advocates of Culture, Arts, and Music for the Planet)もまた被災しました。
地道な復興の取組みをへて、2018年春に、施設の一つが再び建設され、施設の再開をお祝いするセレモニーが開かれました。
JELFもオポーザ先生からご招待をいただき、渡部貴志弁護士(愛知県弁護士会)と事務局スタッフの三石朱美の2名が訪問しました。
SEA CAMPでは、フィリピン国内のロースクール、大学院の学生といった多くの若者たちをはじめ、フィリピン民主化憲法の起草チームでもあり最高裁長官まで務められた大ベテランの方、また、オーストラリアや中国、シンガポールの大学院で環境法の教鞭を取られている専門家の方達、シンガポールやマレーシアから来られた方たち、そして地元フィリピンで実務家として企業や役所の環境分野で働く皆さんといった、多岐にわたる人達が参加されていました。皆さんと美しい海を眼前に交流をし、そして、活動21年目を迎えたJELFの紹介などしてきました。
2日間をめいっぱい使ったSEA CAMPを通じ、参加者のみなさんととても充実した交流ができました。中でも、現地フィリピンのロースクールの皆さんとは今後も継続的に交流を深めていこうというやりとりをし、帰国した後も少しずつ、交流実現に向けてやりとりが始まっています。
今後、フィリピンをはじめとするアジア諸国の専門家の皆さんとJELFがより深い関係を築けるよう、この機会をしっかりと活かして、取り組んで参ります。
なお、渡部弁護士による詳しい参加報告は2018年7/8月号の機関誌『環境と正義』をご参照ください。
(文責:事務局、三石朱美)